御子の恋
鳥は真っ黒だった。
『蓮。窓を開けてくれないかしら?』
と白炎。
俺は渋々窓を開けた。
鳥は部屋に入り、赤雷の頭の上に乗った。
『何か知らせ持ってきたみたい。』
と白炎。
知らせ?
俺は首を傾げる。
『蓮宛てね。蓮。さくらからよ。』
と白炎。
さくら?!
俺は白炎から紙を受け取り開いた。
皆、手紙に注目だ。
「蓮へ。」
この字は間違いない。さくらだった。さくらからの手紙だ。
「蓮へ
私は居なくなったと思うよ。でも、完全にこの街から消えた訳じゃない。
赤雷、白炎、久留。ごめん。蓮なら、貴方達を守ってくれるから。
蓮には私と同じような力を持つから。
蓮。
私はね、あの人の…颯太の元に戻ったの。
何でかはこの手紙じゃ言えない。
実際に会おう。
私も颯太にバレないよう出るから。
赤雷、白炎、久留には人間姿で来るよう言ってもらえるかな?
待ち合わせは17:30頃、花ヶ丘公園で。
じゃあね。
さくらより。」