虹色レンズ
「雅也が呼んでる」


神野が指差しながら言う。


その指の先には廊下の壁に背もたれている雅也くんの姿が。


「えっ雅也?」


雪菜は雅也くんを見るなり、驚いた様子。


雅也というのは、雪菜の彼氏で。


神野と仲が良く、よく一緒にいるのをみる。


「ごめん、行ってくる」


雪菜はそう告げると数学のノートをたたみ、小走りで教室を出ていった。


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