雨情物語①<猫会議>
猫会議
雨が、降っております。
昨晩から断続的に降り続いた雨が、明月院の紫陽花に染み、大仏さんに染み、地球に染み込んでおります。
猫が、雨に濡れております。
雨が、猫を濡らしております。
濡れそぼり毛並みをピカピカと光らせた
猫は、猫背をさらに丸くして、自分のお腹に顎を乗せています。
呼吸で上下するお腹、揺れるヒゲ。
日溜まりにいるべきこの愛らしい猫が、どうして紫陽花のごとく雨に打たれているのでしょう。
「こちらでは、いつから濡れているのですか?」
――― 雨が降り始めてからだな
「ご苦労様です。引き続き、濡れている予定ですか?」
――― 飽きたら止めるけどね
「なるほど」
わたしは猫に一礼し、歩き出しました。
まったく、猫の考えることは理解できません。
昨晩から断続的に降り続いた雨が、明月院の紫陽花に染み、大仏さんに染み、地球に染み込んでおります。
猫が、雨に濡れております。
雨が、猫を濡らしております。
濡れそぼり毛並みをピカピカと光らせた
猫は、猫背をさらに丸くして、自分のお腹に顎を乗せています。
呼吸で上下するお腹、揺れるヒゲ。
日溜まりにいるべきこの愛らしい猫が、どうして紫陽花のごとく雨に打たれているのでしょう。
「こちらでは、いつから濡れているのですか?」
――― 雨が降り始めてからだな
「ご苦労様です。引き続き、濡れている予定ですか?」
――― 飽きたら止めるけどね
「なるほど」
わたしは猫に一礼し、歩き出しました。
まったく、猫の考えることは理解できません。