“スキ”の表し方


「いたっ!」



「そーゆーお前はどうなんだよ」



先生が私に聞いてきた。



「え、私?」



「うん」



「んー、秘密」



「はぁっ!?」



先生が眉間にしわを寄せながら、声を上げた。



「なんだよ秘密って!」



「えー、べつにぃー」



ふふっ。
先生の反応が可愛くて仕方ない。



「私だって先生が初めての彼氏だよ」



私は先生を見上げながら言った。



すると先生が顔を近づけてきて、唇が重なるか重ならないかのところで止めた。



私はどうしたらいいか分からず、そのまま固まってしまった。



「壱香、好き」


先生はそう言って私のおでこにキスをした。



「・・・・・私も」



私が返事をすると先生は私をもう一度抱きしめた。



私はふと窓の外を見た。



夕日が少しだけ私の顔を照らした。



「せんせ、もう帰らなくちゃ」



「うん」



先生はなかなか離してくれない。


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