“スキ”の表し方




今年の夏、私に休みなんか存在しない。



高2の夏といったら、そりゃもう楽しいに決まっている。



夏祭り行ったり、花火したり・・・・・。



とにかく楽しい期間になるはずだった。



先週までは。



私は唯に先週のことを話した。








『如月ー、ちょっと来い』



先週の放課後、私は先生に呼ばれて職員室に向かった。



職員室で先生に1枚の紙を渡された。



『何、コレ?』



『見れば分かんだろ。
補習だよ、補習』



『補習って、何の?』



『体育』



『は?体育?』



『そ。お前、水泳の授業1回も出てないだろ?』



あ・・・・・・・・。



そうでした。


『なんか理由でもあんのか?』



私は返答に困った。



私が少し目を逸らした。



『言えないなら言わなくていいけど、
補習はやるからな?
これやらないと、お前3年になれないからさ。
んで、25m泳げるまで補習は続くから』



『何それ、知らない!!』


『毎年そーゆー決まりなんだって』



『・・・そんなの無理だよー・・』



『そんなのやってみなきゃ分からないだろ。
夏休み初日から始めるからな』



『・・・・・うん』



私はそのまま職員室を出た。



< 123 / 138 >

この作品をシェア

pagetop