王に愛された女 番外編
カイルは半ば呆れつつ、立ち上がった。
「ハナミズキ…私の想いを受け止めて、か。お詫びの想いを受け止めろってことか?」
呟き、カイルは花を掴んだ。
近くにあった花瓶の中を見ると、水が半分まで入っている。
「ここに入れたらいいか」
薄桃色のハナミズキは瑠璃色の花瓶によく映えるなとカイルは思った。自分のセンスに満足しつつ、カイルは花瓶を机の上に飾る。
「これでいいか」
カイルはニヤッと笑った。
それから、クリスティーヌに再び手紙を出そうと考えたのだった。
彼女の住む場所はわからないが、ロッドか、或いは手紙を持ってきたソルティアという女官に渡せば確実に彼女に届くだろう。
また彼女は返事をくれるだろうか。
少し不安になりつつ、カイルは紙に羽ペンを走らせた。