王に愛された女 番外編
カイルは声を上げた。
となれば、少し小さ目の黒い方が自分だろうか。
「で、こっちは学問や家族が割合を占めています」
ロッドが黒い枠を指さした。
「え?お、俺は…?」
カイルはおずおずと尋ねる。
尋ねながら、カイルは図の一か所に小さな点があることに気付いた。
「それ…なんだ?」
「こ、黒い点が、王子様を占める割合です」
ロッドの説明に、カイルは拍子抜けた。
「うそだろ、そんなわけ…」
「いえ、この図が成り立っていないと、クリスティーヌさんがここに来なかった理由が説明できません」
ロッドが冷静に告げる。
カイルはガックリと肩を落とした。