王に愛された女 番外編
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部屋を出て、カイルは夫婦樹が見える庭へ向かった。
庭でボーッとしていると、役職についている三人組の女人が歩いてきた。
「私、見ちゃったのよ」
真ん中の丸っこい女人がジェスチャー付きで説明する。
「見たって、何を」
右の細くて背の高い女人が眉根を寄せた。
「王子様の部屋から、フィオーレ様の娘さんが出てくるところよ」
真ん中の女人が言った。
カイルはギクッとして、欠伸をしかけた口を塞ぐ。
勘違いしてロッドが連れてきたのは、重臣フィオーレの娘だったらしい。
「彼女、嬉しそうな顔してたけど、何かいいことがあったんだわ」
左側の背の低い女人が言った。
「もしかして二人は付き合っているのかしらね」
右側の女人の言葉に
「きっとそうよ」
左側の女人が同調する。