王に愛された女 番外編




 部屋を出て、外に出る。

 ミィナは城下町へ行くと奴隷を売っている広場、まで歩いた。

 奴隷商人が、銀髪の少年を売りとばしているのが見える。

 貴族たちが値段を口に出していく。

「…あの子は、使えなさそうね…」

 ミィナが呟いたときだ。

 あの、金髪の少女がミィナの近くを歩いて行った。

 隣を背の高い青年が歩いている。

「…誰よ、あれ」

 ミィナは金髪の少女、クリスティーヌの傍まで歩いて行った。

「クリスティーヌは心配性だな」

「そうかな」

「だって、王子様にいつ殺されるか心配してるなんてさ」

 クリスティーヌの頬がわずかに赤くなる。

「えっと…あの、それは…」

 クリスティーヌが口をもごもごさせた。

< 132 / 210 >

この作品をシェア

pagetop