王に愛された女 番外編
「なぁクリスティーヌ、もしかしてさ、王子様のこと、気になってるんじゃないか?」
青年の言葉に、クリスティーヌの頬がパッと赤くなった。
「あ、図星でしょ」
「ち、違うったら…」
クリスティーヌが顔の前で手を振る。
それから彼女は辺りを見回し始めた。
彼女の目と、ミィナの目がバチッと合う。
「…あ」
「どうかした、知り合いか?」
青年がこちらを見て、それから「あぁ」と呟いた。
「この間、王宮にいたフィオーレ様の娘さん」
彼はニコッとほほ笑む。
ミィナは目を伏せた。
「こんにちは」
クリスティーヌが近寄ってくる。
嫌いだった。彼女の、何もかもが。
その笑顔も、性格も、自分より際立った顔立ちも。
全てが嫌いだった。
だから、彼女から全てを奪って壊してみたくなったのだ。