王に愛された女 番外編




 王子がランタンで周りを照らした。

 シャベルを持って、地面を掘り返す者が二人、何もせず、傍観する者が一人。

「一体、何してるんだ――」

 言いかけた王子が、小さく息を呑む。

「王子?」

 王子に駆け寄ったロッドも、ハッとした。

 彼らはシャベルで地面を掘り返していたのではなく。

 隠そうとしていたのだ――。





 息絶えた、クリスティーヌを――。

「オマエ、誰だ!?クリスティーヌを殺し、俺から大切な人を奪った、オマエは一体誰だ!?」

 王子がランタンを三人の影に向けた。

< 192 / 210 >

この作品をシェア

pagetop