王に愛された女 番外編
耳を疑った。
クリスティーヌが死んだ、と母はたった今、そう言ったのだ。
クリスティーヌ。
それは、ミィナが嫌っていたあの女だ。
「アイツが、死んだ?」
ミィナは信じられずに聞き返す。
「えぇ、巫女に呪い殺されたのよ」
母がクスクスと笑った。
「もうどこかに埋めてしまったの?」
「それがね、死体が消えたそうよ」
死体が消えた――?
ミィナは目を瞬かせる。
「まだ生きてたんじゃないの?」
ミィナが聞くと、母は
「それはないわ。心臓が止まったのを、皆が確認したそうだもの」
と答える。
「皆?」
「えぇ、彼女を殺した皆」
「でも、王様も死んじゃったんでしょ?その重臣の奥様たちの目的はなんだったの?」