王に愛された女 番外編
「…やっと―――――――会えた」
イアルが呟いた時だった。
少女がその場にうずくまった。
「クリスティーヌ!!」
少女の名を叫んで家から出てきたのは、少女にそっくりな女性だった。
イアルは暫くその女性を見つめていたが
「そうか…。生きていたのか…」と口の中で呟いた。
うずくまった少女を抱きかかえて女性は家の中へ戻って行く。
イアルは家を暫く見ていたが、ふと視線を逸らして空を見上げた。
「今夜は、星が綺麗だ…」
さっきよりも大きな声で言い、イアルは家に背を向けた。
そのまま歩き出す。
「…―――運命って、残酷だな」
イアルは誰にも聞こえない声でそう囁いた。