王に愛された女 番外編
入ってきたのは、銀色の髪に銀色の瞳を持つ、ピンク色のドレスを着た女だ。
「マ、マリィ王女様!?」
ロッドが口をあんぐりと開ける。
「ロッド、兄上が病気って本当なの?」
俺に直接聞けよ。
カイルはマリィを睨みつけた。
マリィは何かとカイルの邪魔をする妹だ。
世話役の女人の次にカイルが嫌いな女だった。
「お、王女様、王子様は今勉強をしておりますので、邪魔はしないようお願いいたします」
ロッドがカイルを見て、それからマリィの耳元で言う。
カイルはロッドの言い訳を本当っぽく見せるために机の上の書物をパラパラとめくった。
「…兄上はいつもいつも勉強ばっかりなんだから!!そんななら、早く先生(セオ)を雇えばいいのに!!」
文句を言い残し、マリィは足早に部屋を出て行った。
「で、ロッド。俺はどうなっちまったんだ?」
カイルは話の先を促した。