王に愛された女 番外編



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 訪問者が帰ってから、クリスティーヌは封筒の中に入っていた手紙を読んだ。


  やぁ、俺を覚えてる?
  実は、俺は泥棒なんかじゃない。
  俺の正体は…


 そこから先は、見えない。

 何も書かれていないのだ。

「…俺の正体は…の先、何なのかしら」

 クリスティーヌは手紙を持ち上げた。

 瞬間。

 手紙の空白部分が部屋の蝋燭の正面まで持ち上がる。

「…―――え?」

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