王に愛された女 番外編






 もう一度空を見上げ、それからクリスティーヌは家に戻った。

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 部屋に戻ってから、クリスティーヌはため息をついた。

 あの時、冷静に考えていればわかったはずなのだ。

 王子は王宮から出ることがほとんどない。

 それ故、城下町にどんな施設があるかなどわからないのだ。彼がホストを知らなかったのだって、それでなのだと考えれば納得がいく。

 塀を越えようとしていたのも、王宮の外が見たかったからなのだろう。王子は王宮の外に出られないから、王子だとわかりにくい服装をしていたのかもしれない。

「はぁ…」

 クリスティーヌはまたため息をつく。

 ただ、分からないのは、彼が塀を越えようとした理由に関することだ。

 彼は「兄に会いに行く為」だと言った。

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