王に愛された女 番外編
もう一度空を見上げ、それからクリスティーヌは家に戻った。
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーー
ー
部屋に戻ってから、クリスティーヌはため息をついた。
あの時、冷静に考えていればわかったはずなのだ。
王子は王宮から出ることがほとんどない。
それ故、城下町にどんな施設があるかなどわからないのだ。彼がホストを知らなかったのだって、それでなのだと考えれば納得がいく。
塀を越えようとしていたのも、王宮の外が見たかったからなのだろう。王子は王宮の外に出られないから、王子だとわかりにくい服装をしていたのかもしれない。
「はぁ…」
クリスティーヌはまたため息をつく。
ただ、分からないのは、彼が塀を越えようとした理由に関することだ。
彼は「兄に会いに行く為」だと言った。