王に愛された女 番外編







「本当に本当に本当なんだろうな?」

 カイルの言葉に、ロッドが三回頷いた。

「さっきからそう言ってるじゃないですか。本当です」

 ロッドは困り果てたような顔で言い、頭を下げる。

「その者の名前はクリスティーヌで、手紙は渡せたんだな?」

「だから、何回も言ってるじゃないですか!王子様、今日はいつもより一段とおかしいですよ!?」

 カチン

 カイルは心が怒りで凍りつく音を聞いた。

「ロッド…オマエ、今、一段と、と言ったよな?」

「ハッ」

 ロッドが慌てたような表情を浮かべる。

 だが、もう遅かった。

「一段と、ってどういう意味だ?言ってみろ」

 カイルは立ち上がり、ロッドの傍まで歩いていく。

 ロッドの肩に右手を置いた。

「ほら、言えよ」

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