王に愛された女 番外編
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どのくらい時間が経っただろう。
カイルは空を見上げたまま、ボーッとしていた。
「王子様ー」
遠くで世話係の女人が自分を捜す声が聞こえる。
「どこにおられるのですかー?」
カイルは、世話係の女人が大嫌いだった。
彼女はいつも自分がいなくなれば探してくれるが、それはカイルの身を案じていたからではない。彼女が国王に怒られたくないからだ。
自分の身を守るために、カイルを捜す彼女が、カイルは嫌いだった。
カイルが王宮内で他に知っている女といえば口うるさい母と、駄々ばかりこねてことごとくカイルの邪魔をする妹だけである。
そんなだから、カイルの中で女というのは地球上で一番嫌いな人種なのだ。