王に愛された女 番外編




 カイルはマリィをひと睨みし、書物に目を戻す。

 一刻も早く、クイズの答えを出してカイルはテアンを王宮から追い出したかった。

「…ねぇお兄様、クイズの答えって簡単だって知ってた?」

 マリィが声を弾ませて言う。

「はぁ?」

 カイルは書物から顔を上げた。

 無視したかったのに、思わず顔を上げてしまったのは、彼女の口から“クイズの答え”という単語を聞いたからだろうか。

 それほどに、テアンを追い出したいという思いが強いのだ。

「オマエ、知ってるのか…?」

 あの場にいなかったマリィがクイズを知っているということにも驚かされたが、何よりカイルが驚いたのは、カイルがこんなに迷っても答えを導き出せなかったのに、マリィにわかってしまったということだった。

「聞いた瞬間にわかったわよ」

 カイルは息を呑んだ。

「嘘だろ?」

「嘘つくわけないじゃない!答えはねぇ」

 テアンを追い出せるためなら、マリィに答えを言われてもいいと思った。

 カイルは、マリィの言葉を待つ。

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