王に愛された女 番外編




「答えはね、瞬きよ!」

 マリィがドヤ顔を浮かべる。

 カイルは眉根に皺を寄せた。

「マジメに言ってるのか?テアンのクイズの答えが、瞬きだって?」

 カイルの言葉に、マリィは頬を膨らませた。

 自分の答えを頭ごなしに否定されたのが相当いやだったようだ。

「何よー。他にありえないじゃない!」

「瞬きなんて、なんだってそんな答えになるんだよ」

 カイルは立ち上がって、マリィに近寄った。

「だって、国民から見て、世界が輝いたり褪せて見えたりするのは何か、でしょ?決まってるじゃない、瞬きよ!だって、瞬きすると世界が見えたり見えなくなったりするじゃない」

 マリィはそう言って、右手の人差し指を突き立てた。

「はぁ?」

「目に物が見えてる間は世界が輝いている間で、瞬きした瞬間は世界が見えなくなる!」

 マリィは誇らしげに言い、自分の答えに納得するように頷いた。

「んな無茶苦茶な…」

 カイルは肩を竦める。

「大体、俺の講師になる男が、そんな子供じみたクイズを出すわけないだろ」

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