王に愛された女 番外編




「答えは、王族の政治だ」

 王子が述べた。

 この答えに、テアンは少し驚いた。

 この王国の政治は、王族に代々伝わるといわれる神の力を宿した剣を用いて行われる。

 先代までの初代王の直系の血筋を継いでいた国王が使っていた剣は先代国王が持ったままどこかへ行ってしまい、今の剣は現国王が手に入れた別の力を宿した剣を用いて政治されている。

「…王族の、政治ですか?」

 テアンは聞き返した。

「そうだ。王族の政治がいい方向へいけば国民の生活は豊かになるが、悪い方向へいけば国民の生活は悪くなってしまう」

 王子が述べた。

 その答えは、書物に記されている型に閉じ込められた答えだった。

「だから、あのクイズの答えは王族の政治だ」

 テアンは王子に気付かれないようにため息をつき、口を開いた。

「いいえ、それは違います」

 王子が目を見開く。

「何!?違う、だと?」

 テアンは頷いた。

「はい、違います」

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