王に愛された女 番外編
王子が一層目を見開く。
テアンはその反応に「あぁ、やはりな…」と思うだけだった。
「じゃ、じゃあ、答えは何なんだ…?」
王子が身を乗り出す。
テアンはあくまで冷静な態度をとり続けた。
「答えは、瞬きでございます」
テアンがゆっくり答えを述べると、王子が「…っあ」と声を漏らす。
「な、なんだと…!?瞬き!?ふざけるな!」
戸惑ったような顔から一変し、王子は怒鳴る。
「ふざけてなどいません。王子様は今、この答えを聞いてふざけていると思ったでしょうが、僕はふざけていないんです」
テアンはハッキリと告げ、王子を見つめた。
「今の王子様には、柔軟な発想というのが欠けていると僕は思います。この答えも、おそらく書物を開いて必死に探したのでしょうが、僕はそれは間違っていると思います」
王子が拳を握りしめるのが見える。
テアンはそれでも続けた。殴られるのは百も承知だった。