王に愛された女 番外編



 王子に聞かれ、テアンは戸惑った。

「いえ…もとは、隣人の少女の意見なんです」

 正直に言うと、王子が目を見開いた。

「隣人の少女?女がオマエに助言したというのか?」

 テアンは頷く。王子は納得しきっていない様子で顎に手を当て、首を傾げた。

「オマエが女に手を借りる…となると、その女は、相当頭がいいようだな」

 先ほどの数分の間に、王子の中でのテアンの評価は上がったようだった。

 それがテアンにとっては嬉しいことだった。

「はい、彼女は女子でありながら学問をみにつけているんです」

「それはホントか?女子なのに、勉強しているのか」

 王子の驚きように、テアンは苦笑した。

「はい、しかも彼女、独学なんです」

「独学!?独学で、オマエが頼るとなると、相当だな。…よし、このチョコを彼女に渡してくれ」

 そう言って、王子がお菓子の並んだテーブルからチョコレートを一つ取り出す。

「え?」

「だって、俺の先生の先生なんだろ?つまり俺は、その女に学んだってことになる。オマエにこの高級チョコをあげたのだから、彼女にもあげるべきだ」

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