王に愛された女 番外編
王子の筋の通った説明に、テアンは納得してチョコを受け取った。
「じゃあ、彼女に渡しておきますね」
テアンが言うと、彼は満足げに頷いて
「あぁ、頼んだぞ」
と言った。
その時だ。
「お兄様!!」
甲高い声に、王子の顔色がサッと変わった。
声のした方へ、テアンは顔を向ける。
そこには背の低い少女がいた。
「あ、またオマエかマリィ」
王子が言うが、王女はそれを気にも留めないようだった。
まっすぐに彼女はテアンの方へと歩いてきた。