大空の下。
1、入学式
頑張って頑張って頑張って頑張って勉強して。

やっと入れたこの高校。

きれいでぴんぴんな制服を着て校門をくぐっていく周りの人。

中には友達と一緒に入っていく人もいる。

私だって友達と一緒に入りたかったけど周りの子はみんな違う高校に行ってしまった。

だから〝ここ〟は私のリセットしてからのスタート時点。

これから何が起こるかわからない。

そんなことを思いながら校門をくぐっていった。

クラスは1-C。

見慣れない顔をちらちらと見ながら教室に入っていった。

でもやっぱり周りの人は知らない人ばかり。

私は遅れてきた方だったから周りの人はグループが大体できてしまっていた。

(どうしよう…。友達0とか本当いやなんだけど…。)

そう思いながらも人見知りな私は誰にも話しかけられない。

「ねぇ」

(ほんっとうにどうしよう…。話しかける?!話しかけない?!)

「おい」

「はっ…はひっ!」

(やば…声裏返った)

「はひっじゃねぇよ…そこ俺の席」

「え?!」

頭が混乱してたから何が何だかわかんなくて今座っている机の名札を見てみるとそこには明らかに私の名前ではない【田口 柾】という文字が書いてあった。

「ごっ…ごめんなさいっ…!!」

「別に平気。ちなみに言っておくけどお前の席俺の隣だから。」

「あ、まじっすか」

「おう」

そういうと誰かに呼ばれ廊下に出て行ってしまった。

(本当にここ私の席だよね…?)

名札を見るとそこにはきちんと私の【中村 伊識】と書いてあった。

「あの…」

「はい?」

「私、若森 琴菜って言います…友達になってくれますか?」

「あ…うんっ!!」

琴菜ちゃんはポニーテールで美人な女の子だった。

何より一番印象に残ったのは〝元気そう〟。

高校初の友達は私から話しかけてできたわけではなかったが、ちゃんと友達ができたことに安心した。

「もうチャイムなるから自分の席に戻るね~」

「うんっ!!バイバイ」

それと同時に隣の田口君が戻ってくる。

「なぁ」

「ん?」

「お前名前なんて言うの?」

「中村 伊識だよ?」

「じゃぁ伊識って呼んでもいい?」

「どうぞご自由に~」

「俺のことは柾でいいから」

「おっす」

すると担任の先生らしき人が入ってきた。

「ここは1-Cで間違いないな?」

「間違いないでーす」

「先生は1-C担任の【下田 徹】だ。いきなりだが入学式があと10分後に始まってしまう」

「にしては来るの遅くないすか!?」

「ドジりました」

(ずいぶんドジな先生が担任になったな…)

そう思いながら入学式のために廊下に並び体育館に向かった。

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