最終面接
切りかけた瞬間
『もしもし？』
受話器から
女性の声がした。
「あの…突然すいません。」
何から切り出せば
いいのか……
「私…東條と申しまして…」
『東條さん…？』
「失礼ですがーーー」
ゆりちゃんかと
尋ねようとした瞬間
『東條さん…って、
あの東條さん？！』
…どの…東條だ…
思わず苦笑する。
レナと同じ空気感に確信した。
…ゆりちゃん…に、
間違いないと。
「実は…今日…
レナの…携帯電話を…」
確信しながらも
何か間違いがあって
藤村瑞希を犯罪なんぞに
まきこむ訳にいかず
入手経路の説明が
しどろもどろになる。
『ああ…。瑞希ちゃんから
受け取っていただいたのね。』
皆までいわずも
電話の向こうからの内容に
まずは、安堵した。
「あの…すいません…
実は…レナが亡くなったと
伺った…の…ですが…」
聞きたい事を、
いきなりだが、切り出した。
