誠─紅き華は罪人に祝福を与う─
貴婦人からの招待状

第三話─湖の主─




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「鷹、代わりに」


「いや、無理だろ」




ほらまたやってもない時点で無理とかいう。


それでもお前は主の式か?




なんという無茶ぶり。


奏に呼び出されたことに大いなる不安を感じながらも来てみれば。


鷹は人身御供を言い渡されそうになっていた。


代わりに出向くこと自体にはもはや何の抵抗もしない。


ただし相手による。


今回は相手が悪かった。


鷹の、ひいてはほとんどの人外の苦手とする三大魔王とはるくらいの人物だ。




聞かなかったことにして、回れ右をしてここから去りたい。




当然それが聞き届けられるはずもない。




「なぁ、その貴婦人ってのどんな人なんだ?」


「カミーユ…様+土方さん+レオン様÷2くらい」


『………』


「ま、まぁ!!÷2されてることだしな!!大丈夫だろー」


「おい。俺をなんだと………もういい」




今まで潮からの伝令を聞いても平気でいられた皆の顔もちが心なしか悪くなった。


大丈夫、大丈夫ーっとさっきから大声で叫んでいる永倉も全然だいじょばないだ。


声が上ずっている。




「そんな相手ならさっさと行ってとっとと帰ってくればいい話だろうがよ」


「うわー土方さん素敵ー。なら一人でいってこいよ」




まさしく棒読みだ。


そうは言いつつも、雷の娘をと指名されては逃れられないのは明白。


土方の拳骨をいつものごとく華麗に避け、奏は身支度をするべく私室に戻っていった。


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