誠─紅き華は罪人に祝福を与う─
「任せろ。おい、こっちに来い。そこにいたら奏の邪魔だ」
「うぇ?」
そのまま戦闘の邪魔にならないような所まで制服の襟を引っ掴んで下がっていった。
「でもよ、子孫かどうかなんてどうやったら分かるんだ?」
「魂の色、匂い、その他の容姿、分かる手段はいくらでもある。人外なら、だけどね」
「ふーん」
「そんなものなんだな」
藤堂が解せぬとばかりに眉を寄せて尋ねた問いに、奏は肩をすくめて答えた。
特に容姿は明らかに分かるものだし。
前世とかじゃなくて血の繋がりだから、先祖子孫ってやつは。
・・・・前世、か。
なぜ前世があいつらなのを狙わない?
「お前ら!目の前の奴らに集中しやがれ!」
土方の怒声に奏は思考を敵に戻された。
「平助達のせいで怒られた」
「だってよー」
「気になるじゃん!」
全部藤堂達が悪いように言っているが、奏も悪い。
かといって考え事をしていた事は黙っていれば分からない。
奏はいかにも被害者側のように唇を尖らせる藤堂達を見ていた。