誠─紅き華は罪人に祝福を与う─
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それからゆうに四時間が経った。
高かった日もどっぷりと暮れてしまい、辺りは暗い。
急にドタバタと玄関の方が騒がしくなり、皆は広間を飛び出した。
「どうした!?」
「そこをどけ!」
「第六課の奴は呼んだのか!?」
「奏ちゃん!」
「奏!どうしたの!?」
「おい、布団敷け!」
「は、はい!!」
奏が鷹や鈴に肩を貸されて戻ってきた。
酷い脂汗に、脇腹からは血が流れ落ちている。
響が急いで布団を敷き終えた部屋に奏を寝かせると珠樹が鷹に詰め寄った。
「これはどういうこと?場合によっては許さない」
「・・・っ」
「退いてください」
「こんな所で言い争いをするなんて邪魔だよ」
フェルナンドとレオンが二人の間に割りいるようにして部屋の中に入り、奏の横に膝をついた。
フェルナンドは傷の確認をした後、奏の額に手を当てた。
「やはり・・・・」
「どう?」
「高い熱があります。お聞きしますが、この傷はどういう経緯でつけられたものですか?」
「それは・・・・」
言い淀むと、鷹がガバッと頭を下げた。
「すまねぇ!!近くに子供がいたんだ。俺は空にいたのに、それに気づけなくて・・・奏が庇って。・・・本当にすまねぇ!!」
「こいつだけが悪いんじゃねぇ。俺もこいつも戦ってた。それに空からは木が邪魔して見えなかったんだよ」
鈴は努めて冷静に言葉を発していたが、膝の上に置かれた握り拳は側にいた自分への怒りに震えていた。