誠─紅き華は罪人に祝福を与う─
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暗闇の中、続く一本道お千早を先頭に沖田、珠樹、レオンの四人は進んでいた。
「よいか?監守の目を誤魔化せるのはせいぜい四半刻が限度。簡潔にな」
「行ってらっしゃい」
千早とレオンを残し、二人は教えられた場所へと向かった。
「どうしてあなた達がここに?」
二人の姿を見て、彼の瞳が驚きに見開かれた。
すぐに周囲に視線を彷徨わせた彼は二人の傍に駆け寄った。
「今すぐにここを出て帰るのです。あなた方はここに来てはいけない。ご存知でしょう?ここがどんな場所なのか」
「知ってる。罪を犯した神が入れられる牢獄」
「それならば何故・・・奏に他に何かあったんですか?!」
慌てたように言う彼に沖田は首を左右に振った。
ホッと息を吐く彼に、沖田はずっと聞きたかったことを口にした。
「君は・・・・奏ちゃんのこと、どう思っているの?」
彼は暫し目を瞬いた後、ニコリと笑った。
「愛していますよ。とっても」
「ならなんで・・・・奏の前からいなくなるようなこと」
「愛しているからです。彼女が守ろうとしたものを守りたかったので」
「・・・・・・奏ちゃんは君がいなくなったこと、薄々気付いているよ?」
「でも、彼女は、星鈴は一人じゃなくなりました。だから、もう大丈夫です」
ほんの少し、淋しさを匂わせる笑みだった。