誠─紅き華は罪人に祝福を与う─
第六話-思わぬ再会-
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季節の去来は昔と変わらず早いもので、もう夏の終わりを迎え、過ごしやすい秋になった。
現状が現状ゆえなので、学校に行くことができないあづさは暇を持て余していた。
最初のうちは響を手伝おうとしたのだが、お客様だからとやんわりと断られてしまった。
つまり、本当に暇なのだ。
こうして過ごしていると、本当に狙われているのかという疑問さえ浮かんでくる。
縁側に座り、足を庭の方に放り出してブラブラと振って、何をしようかぼーっと物思いに耽っていた。
「暇そうだね」
振り返ると。この世の者とは思えない綺麗な人が立っていた。
「・・・えっと、レオンさん?」
ここに来た次の日に奏に紹介してもらったこの人を、奏だけじゃなく、皆が恐れているらしい。
何故なのかは分からないけれど。
「君にぴったりの仕事があるんだ。やるよね?」
・・・・少し、怖がられる理由が分かった気がする。
やらないかという提案・・・ではなく、やることを前提とした確認だった。
そしてニッコリとした綺麗な微笑みを見てしまえば否やは言えない。
言えるはずがない。
現にたまに自分の様子を見に来てくれる人達が皆、影で合掌していたのだから。
もちろん目の前の彼は気付いているだろうけれども。