誠─紅き華は罪人に祝福を与う─



「奏、いいの?追いかけなくて」


「……仕方ないんだ。あづさはヴァンパイアと聞いてどう思う?」


「え?どうって言われても……ちょっと怖いかなぁ。血を吸われたら」


「それは君達と同じ食事としての営みなのに、かい?」




声のした方を見ると、カミーユがコリンを従え歩いてきた。




「やぁ、奏。屯所に行ったらここだと聞いてね」


「……」




死ねよ、と奏が小声で呟いたが、あづさは聞こえなかったフリをした。


座ろうと促され、二人はレオンと同じテーブルの席についた。




「さて、何の話だったか。……そうそう。ヴァンパイアの話だったな」


「君が親切心を出すなんて珍しいね」


「心外だな、レオン。私は親切心の塊だろう?」




薬草棚になんの毒草があったかな?


せっかくだから、薬草棚の毒草を一新したいから全て使い切ってしまおうか。


フフフ……どんな効き目があるのか楽しみだ。


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