誠─紅き華は罪人に祝福を与う─
「響、茶ぁ頼むぜ」
「あー、俺も俺も!」
「皆さん分お持ちしますね?」
響は立ち上がり、勝手場へと駆けて行った。
「ったく、女相手になに怯えさせてんだか」
「そうそう。お前は笑っとけ笑っとけ」
ガシガシと永倉に乱雑に頭を撫で回されるあづさはまだ表情が晴れない。
「人間全体のことを自分の責任だと思いつめるな」
「そうじゃないんです。ただ……」
「ただ?ただなんだ?」
歯切れ悪く言葉を途切れさせたあづさに先を促した。
「私は……人間だから、ここにいる人達に本当には受け入れてもらえないんだろうなぁって。それは、寂しいかなぁって」
それに関しては皆にも思うところがあったが、比較的元老院側とは友好的だ。
むしろ誘いがあったくらいで。