俺の彼女が可愛すぎて辛いんですけど




『あたしの彼氏は片桐くん、あなたの彼女はあたし。これで理解した?』


『…………………………ハイ』


『返事が遅い』


『ハイッ!!!!!!!』




本当に片桐くんって変なの


と小声で言った真子の口角が少しだけ上がっていたのを俺は見逃さなかった。




『はっくしゅッ』


『わ、ごめん!寒いよね?!帰ろうか…』



みんなが帰ってしまって、勝手に切られた暖房。



教室とはいえ、雪が降ってるんだから寒いに決まってる。




『これ、使って』




カバンから出した俺のマフラーを、真子の首に巻いた。




『……マフラーくらい持ってるし…』


『え?』


『何でもない』




巻き終わると、今度は真子がカバンからマフラーを出した。




あ、マフラー持ってたんだ。



まあそりゃあこんな寒空の中、マフラーなしとかありえないよな…。




余計なお世話だったな、と考えていると、ふわっと首が暖かくなった。




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