俺の彼女が可愛すぎて辛いんですけど
「…まだ髪の毛ベッタベタだな」
「仕方ないよ…」
このまま下ろしてたら、水分が中のシャツまで浸透して、
俺のカーティガンの意味無くなるよなぁ…。
「真子、ヘアゴム持ってる?」
「え?あ…1個ならあるけど」
制服のポケットから出された、地味な黒のヘアゴム。
髪の毛湿ってるし、髪とかさなくてもいっか。
「…っ、瑠偉…?」
「髪の毛まだ濡れてて下ろしてると風邪引きそうだから」
だいたい何をするか予測がついたのか、真子が慌て始めた。
「か、髪結ぶくらい自分でできる!!!恥ずかしいから!!いい!自分でやるって!!」
「俺がやりたいの。
寝坊して挙句の果てに濡れてまくったお前は黙ってなさい」
と、後ろから真子のほっぺをムニッとつねった。
「……っ、」
男子が女子の髪の毛を結ぶ、という見慣れない光景に
クラス中が俺たちに注目していた。