君を助ける十の言葉
「ところで・・・・」

さっきまで笑顔だった先生の顔が一気に真剣な表情になった。

自然と緊迫した空気になった。

「・・・・はぃ」

何を言われるか心配になり言葉を詰まらせる。

「沙織さん・・・・病気が発覚した時からもう・・・半年がたちましたね。
これまで検査や治療法をよく頑張ってきました。でも・・・・・・・



















覚悟はしておいた方がいい時期になってしまいました。」



え・・・。



そっか、もう少しで私死ぬんだ・・・・・

今まで死ぬことぐらい覚悟してて

もう諦めてた・・・ハズなのに。

どうして泣いてしまうんだろう。



死ぬのが怖いの?


怖い・・・だけど、死ぬのが怖いんじゃない

ひよりともう二度と会えなくなるのが怖いんだ。

私が死んだら、その時は覚えているんだろうけど

いつか・・絶対ひよりが私のことを忘れそうで・・・。

「親御さんにはあとで伝えておきます。すみません・・できることはやったのですが・・・」

嘘。


嘘。


嘘。


だって私の病気は誰も何もできないくらいなのに・・

出来る事とか、何もないって言ってたじゃん。
< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop