守ってくれますか?
「あなた、名前は?」

アンリ様が、私を見たまま冷たく聞く。

「ヒカリです・・・・」

怖いな・・・

なんか私、睨まれてる気がしてきたんだけど・・・・


「そう、ヒカリね。」

そう言うと、アンリ様は突然、微笑んだ。
黒い、微笑みだった。

「ヒカリ、あなたはこれから、ナオ様の傍にいないでね。絶対に。」

ふふふと不気味にアンリ様が笑う。

ぞくりと、悪寒が体をはしる。


「なぜ、そんなことを・・・・」

「当然でしょ?あなたのような小汚い女が、ナオ様の近くにいていいはずないでしょう?」


・・・・そっか・・・

「確かに、当然、ですね・・・・」

『小汚い女』か。

私は苦笑してしまいそうになった。

随分な言われようだ。


「わかりました。いいでしょ「待て。」

ナオ様が、私の言葉を遮った。


・・・・?

どうしたんだろう・・・・・
< 134 / 598 >

この作品をシェア

pagetop