守ってくれますか?
・・・・・・・・・・
がやがや。がやがや。

ここは活気のある、普通の商店街。
さっきまで私達がいたのは、この商店街の裏にある、暗いトコロ。
そこは、実は人売り屋の溜まり場なんだ。

・・・そして私は今・・・・・

私を買った人と共に商店街を黙々と歩いている。

ユウ達とは、さっき別れた。
でも、手紙で繋がっていられるってわかったから、そこまで辛くはなかった。

それも、この人のおかげなんだけど・・・・

顔が、全然見えないんですよね・・・。
なんか、怖いというか、不気味というか・・・・。

・・・って、失礼だよ!私!!

1人ツッコミをいれる。
・・・・・頭の中で。

・・・・なんか、私とこの人の周りの空気が重いというか・・・・。

売られた者と、買った者。

これが普通なんだと言われれば、納得できる気がする。


・・・でも・・・・・

顔ぐらい見せてくれてもいいと思う!!
うん!

ってか、あんた誰だよ!?みたいなね!!

名前ぐらい名乗れよ!!みたいなね!!

だいたいさあ・・・




「ナオ様ーーーー!!!」

・・・ん?
誰かが誰かのことを、大声で呼んでる?

『ナオ様』?


・・・・っち・・・

私を買った人が、舌打ちをした。
< 19 / 598 >

この作品をシェア

pagetop