守ってくれますか?
・・・なんで?


「・・・アンリが、怖かったのか?」

ナオ様が静かに、けれどとても優しげに問いかけてくれる。





・・・アンリ様は、怖かったけど・・・


でも・・・意識が無いとき私が聞いていたものは、アンリ様の声じゃない。




さっき、私は・・・


記憶の声を聞いていたんだと思う。

確信はないけど、そう直感する。




――・・・じゃあ・・・



「私が怯えていたのは、私の記憶・・・?」




私の小さい呟きに、ナオ様が首をかしげる。


「記憶?」



私は“私の記憶”というワードから、あの4人の声を思い出す。



ぷるぷる
ぷるぷる


思い出すと、私の体は小刻みに震えた。




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