守ってくれますか?
「だって、そうでしょう?」


アンリの表情が、すうっと一気に冷たくなった。




「あのヒカリっていう子とは寝て、私とは触れることもしたくない、など、おかしいじゃないですか。」


ヒカリという名を呼ぶとき、アンリの灰色の瞳の中に“憎悪”が満ちていくのがわかった。


ぞくっとした。




・・・そこまで・・・


そこまでヒカリが憎いのか?


「今はもう、一緒に寝ていない。」


寝たら、アンリ、お前はヒカリに嫌がらせをするんだろうからな。




「そうですわよね。あんな子と一緒に寝るなんて、ありえませんものね。」


“あんな子”


ああ・・・

怒りを静めるのが一苦労だ・・・


それはカイトも同じらしく、ぐっと拳を固く握りしめている。

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