守ってくれますか?
残酷すぎる。


そこに、私は意味なんて見つけられない。


「・・・【魔の国】は財政難なんだよ。」

ヒカルが、静かに呟いた。


「・・・・・・国のお金がないってこと?」


「そう。だからこそ、超能力者を他国の戦争に提供して、金を貰ってるんだ。多大なる金を・・・な。
そうして、なんとか保ってるんだ。」




――だからって・・・



「だからって、道具にするとか、生贄にするとか、間違ってるよ!」



「間違ってても、それに頼るしかないんだ。・・・それに・・・・・」


ヒカルは、皮肉な笑みを浮かべた。




「漆黒の神は、冷酷非情。自分達のこと以外はどーでもいいみたいだからな。」



なっ!!!




「そんなっ!!!!」


「――・・・ヒカリ。」


私が怒りで顔を真っ赤にしていると、ヒカルが私の瞳を見た。



「奴らはマジでムカつくぜ?だけど、今はそれをどうこう言う時じゃない。
頭を冷やせ。
・・・・・お前は、大事なことを忘れてる。」



大事なこと・・・・・・?





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