守ってくれますか?
美人と聞いて思い浮かぶのはヒカリしかいないのだが・・・


ルリは、『誰』と問うた。

つまり、ルリの知らない人・・・ヒカリ以外の美人ということか。






「へぇ、アンタがここの王子様なんだ。美形だねぇ・・・」


ぎょっとした。

いきなり目の前に女が現れたのだ。



「・・・・・何者だ?」

俺は眉間にしわをよせ、女に聞いた。



「何者って・・・怪しいものではないが・・・・・」


女は、何かを躊躇うように、視線を宙に彷徨わせた。




「まっさか貴方が王子様だったとは・・・
ヒカリとは、どういった関係で?」


ヒカルが背後から俺に問いかけた。




どういう関係?


・・・おそらく、世間一般に考えれば・・・・・



「ヒカリは、使用人だ。」


そう答えるしかない。

俺とヒカリの関係が“使用人と主人”だなんて、やっぱり嫌だ。

しかし、それが今の現実だ。

もちろん、変えようとは思っているが。





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