守ってくれますか?
ヒカルは数秒後、目を開いた。


「・・・父さん、ドラッグやってたのか。」

「なっ!?なんでアンタ知って・・・」

「狂って、母さん、殺しちまったのか・・・それで、ヒカリが人売り屋で売られて・・・その、王子様に買われたってわけか。」


ヒカリが売られたのは、そういう事情があったからなのか・・・


――黙秘しても、よろしいでしょうか?


ヒカリは、まだ話せなかったのは、当然のことだった。

そのことを初めて、知ることが出来た。


・・・・・良かった・・・

あの時、追求しなくて、良かった・・・




「・・・・そうか・・・ヒカリ、一人で抱え込んじまってたのか。
はぁ~・・・もっと早く帰れてれば・・・・・・悔やんでも、もう遅いか。」


「なんで知ったのかは、わかんないけど、気は済んだでしょ!?さっさと説明してくれるっ?」


ルリが当惑しながらも、声を張り上げる。


「はいはい。じゃ、ルリ、お前の家族、ここに全員集合させろ。」


「はぁ!?」


「お前だけ説明受けるのも、ズルイだろ?」


「・・・お姉ちゃんは、先に説明受けたのに・・・・・」


「ヒカリは特別っ!さぁさぁ、呼んでこーいっ!!」


「・・・・・・・・はぁ。わかったわよ。」



ルリは、渋々そう言うと、ここから出て行った。







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