守ってくれますか?
「・・・やっと実感したようだな。」

冷たく、私を買った人・・・ではなく、王子様は言った。

私はこくこく頷く。
驚きすぎて、声もでないよ・・・・

「ナオ様は、ここフローレ大国を治める王の息子であり、王位継承者なのです。あなたは、そんな高貴なお方に買ってもらわれたと、しっかり意識なさい!!」

渇!という感じで、じいやさんが言い終えた。

します!!しっかり意識します!!!

・・・ホント、私ってすごい人に買われたんだなあ・・

・・・私、初めて生で王子様見たよ・・・・

「で、お前は?」

「・・・・・へ?」
突然王子様に問いかけられ、私の思考はピタッと止まった。

「だから、お前の素性は?俺は明かしたんだ。次はお前だろう?」
「あ!そうですね!!」

素性のわからない人を長く王子様の傍にいさせるとか、ありえないもんね!

「えっと、私の名はヒカリです。」
「苗字は?」

「あったら、売られてませんよ。」
私は苦笑いした。

「それもそうか。」

・・・ここでは、苗字は高貴な人しかもてない。
いたって平凡な私が、もっているはずないんだ。

「・・・今年17歳になります。高等学校2年生でした。」

王子様は静かに聞いている。

「・・・・・売られていた理由は・・・・
 ・・・黙秘しても、よろしいでしょうか?」
まだ、言えない。
言葉になんか、できない。

王子様は私を凝視した。

し、視線が痛い・・・

「・・・・言いたくないのなら、言わなくてもよい。」

!!!!

「ありがとうございます!!」
< 29 / 598 >

この作品をシェア

pagetop