守ってくれますか?
「・・・2人して強い力をもっておる。特に、女の子の方は危険じゃ・・・・。」


!!!!!


えっ・・・私?




老人は、そしてふっと顔を強張らせた。



「双子よ・・・運命をうらむでないぞ。」




その声は、静かで、落ち着いているのに・・・

どこか、威圧感があった。
凛とした響き。

ナオ様やシオンの声に、響きが似ている――



この人は、一体何者なの・・・?







「クウとフウはお前達を守ろうなどと考えておるようじゃが・・・無駄じゃ。
わしがお前達を見つけたという時点で、もう、お前達の運命は決まったようなものであろうぞ。」


老人は、疲れたような、哀れむような顔をした。





「お前達も、クウも、フウも、不憫なものよのう・・・。
――じゃが、運命は変わらない。」


そして、ふうっと息を吐き出す老人。




「お前達が双子でなければ・・・幸せになれたじゃろうにの。」


老人の萌黄色の瞳は――どこまでも、漆黒の闇に覆われていた。







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