守ってくれますか?
「ああ、そうか。双子だからな。だが、政策を変えるつもりはない。残念だが、ヒカルは殺す。」


レインが、ちっとも残念そうには思えない・・・全く変わらない口調でキッパリと言い切った。



《ヒカルは、しなないぞ!!しにたくないもんねっ!!!》

さっきまで黙っていた幼いヒカルが、バカにしたように、レインに向かって言った。


《おう!そーだそーだ!ヒカルはしなない!!!》

幼い私も、明るく言う。



レインは、そんな幼い私達の声なんか聞こえないというように、話し続けた。


「ヒカルは殺すが、それはもう少しお前達が成長してからだ。じゃないと・・・あまり意味を持たないからな。忘れてしまうはずだから。」



人の死に・・・・・どんな意味があるっていうの?

と、言いたいところだけど、私は知っている。


この、“双子の超能力者の片割れの生贄策”は、残酷さを生むための政策。

人を殺すことを躊躇わない、人を殺す道具を作るためのもの―――。




この政策は・・・・・


残酷で非情なレインという人だからこそ、できるものなんだ。






この人に気に入られた私って・・・・・


けっこうヤバイんじゃない?







そう思った時・・・・・・


視界が、ぐにゃりと歪んだ。



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