守ってくれますか?
何!?


一瞬パニックに陥ったものの、私はなんとか理解した。



記憶を・・・・・

駆け抜けている。



たぶん、シオンの魔法の影響で、本当に大事なところだけをじっくり思い出せるようになってるんだろう。



・・・・・だから、今私は、記憶を早送りして見てる。





どうやら、私の本当のお母さんとお父さんは、私達の存在が知られていることに、気づいていないみたいだ。


幼い私とヒカルは、赤ちゃんだった時のことなど、すっかり忘れて、元気に成長していく。




――ママー!ヒカリ、きょうはハンバーグがたべたい!!

――わかったわ!うんとおいしいの作るからね!!


――パパー!ヒカリも、パパとおさかなつりにいく!

――そうか~!じゃ、パパの言う事、ちゃんと聞くんだぞ!


――ママ、みて!おれ、こんなにケムシとれた!!

――ぎゃー!!ヒカル、やめて!かえしてきてぇ~


――パパ!ボールであそぼっ!!おれ、たのしみにしてたんだ!!

――おお!さっそく公園に行くか!!





――――・・・あ、ダメだ。


涙、出てきちゃったよ・・・・。





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