守ってくれますか?
「俺の傍から離れるな。」

・・・え?
不思議に思い、王子様の顔を見ると・・・

不機嫌そうに眉をひそめている、端整な顔が私の瞳に映った。
王子様、なんか怒ってる!?

なんで?なんでぇ!?

王子様の顔を思わずじーっと見つめた。


・・・そして私は、
王子様の深い緑色の瞳が、
暗く、翳っていることに気がついた。

・・・・・その翳りは・・・・

王子という、立場ゆえか。

それとも、もっと他の・・・・?


「・・・行くぞ。」
王子様は一言そう言うと、スタスタと、なんでもないことのように、長ーい列の間を歩いていった。

・・・私の手首を、つかんだまま。



は、離してほしかった・・・!!!


メイドさんと執事さん達の、視線が痛い・・・








・・・・・私、どうなるんだ。ホント。


前途に、不安を感じた・・・・・。



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