守ってくれますか?

消された記憶②

後ろを振り向けば・・・

満月に照らされたゼロが、すっくと立っていた。



「ゼロッ!!!どうして・・・どうしてココにっ!!!!!」

ヨナは憎憎しげにゼロを睨む。


「レイン様が『ヨナを見張れ』と申されたので、見張ってました。」

ゼロが、どこまでも事務的に、淡々と話す。



「レイン様が!?あぁ・・・私を気にかけてくださっていたのね!!!」

ヨナがうっとりとする。


「いいえ、違います。」

「は?」

ヨナが腑抜けた声を出す。


・・・なんで違うの?

というか、違ってても、言わなくていいんじゃない?



「レイン様は『ヨナがヒカリを殺しそうだから見張れ』と申されました。」




・・・・・・・・・・・・・ソレ、言っちゃダメじゃね?


ほらほら、ヨナがもの凄く恐ろしい顔で幼い私を睨んでるよ?

さっき幼い私、命狙われたんだよ!?
確実に言っちゃダメだったでしょう!!!



だけどゼロはさっきと全く変わらず、無表情のままだ。





「・・・・・そこのおねえちゃん、ヒカリとあったことあるよね?」


幼い私が、突然そんなことを言い出した。


・・・空気読もうよ。






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