守ってくれますか?
「・・・行くぞ。」
王子様は、そんな私達などおかまいなしに、どんどん前を歩く。

そして、手首をつかまれたままの私は、王子様に引きずられるようにして、前へ駆け足で進む。
・・・王子様、足が長くて、歩幅が大きいから・・・・

じいやさんは、ふらふらと着いて来る。

「ナオ様が、あの冷たいナオ様が・・・・
これは夢か?・・・なぜ、ナオ様があんな女の手首を・・・」

・・・なんかブツブツ言ってるけど、よく聞こえないなあ・・・・
というか、大丈夫か?
なんだか心配になってきた。

けっこうな歳だと思うし・・・・

「ついたぞ。」

王子様の声で、私はじいやさんのいる後ろの方から、顔を前の方に戻した。

「・・・・・・・・」
ついた所は・・・・・・

恐ろしく豪華な部屋のドアの前だった。

・・・どこだ?ここ・・・・
・・・なんの部屋だ?

「俺の部屋だ。」
王子様がクールに言った。

・・・・・へえ。
『俺の部屋』か。

俺の・・・・・
俺の・・・・・?

って、
「はあああああああああ!!???」

思わず、叫んでしまった。


私達がいる前のドアの向こう側は、



・・・王子様の部屋だった。

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